本作は卒業制作にて発表した作品、「Day Tripper」(2020年 東京都美術館)を2020年9月に開催された、文化庁メディア芸術祭関連企画『ART MEETS TOKYO』の為に縮小したものだ。より色々な場所で、その場所に合わせた映像や見せ方を展開していけるようにポータブルなサイズに再制作した。
「Day Tripper」シリーズ(2020-)には2つの視点がある。実際に、座席に座って映像を見る鑑賞者の視点と、車窓を眺めている人を少し離れた場所から見る鑑賞者の視点だ。作品の近くに設置されたQRコードを読み込むと、作品にまつわる詩(誰かからのメッセージ)のようなテキストが読める仕掛けがあり、鑑賞者は度々座席に座ってスマートフォンを操作する。その様子は、普段電車で移動している時によく目にする他者をデジャヴュのように想起させる。