本作は2020年に発表した「Day Tripper」をICCアニュアル2023 エマージェンシーズ!045のために、再制作されたものです。
《Day Tripper》は,公共交通機関の車両を模した空間で展開する映像インスタレーションです.鑑賞者は椅子に座り,窓の外に流れる車窓風景とともにそれぞれの日常を追体験します.
「風景」「旅」「移動」をキーワードに制作を行なう武田は,本作で車窓風景に着目しています.通勤や通学のための移動中に車窓から目にする風景は,私たちの日常の一部です.一方で私たちは,考えごとをしながら窓の外を見るともなく見ることもあれば,スマートフォンの画面や音楽に集中するあまり,それ以外に目を向けすらしないこともあります.武田によれば,「風景」とは人が意識的に外界を見ようとした時に初めて浮かび上がってくるもので,その境界は非常に曖昧であり,窓の外にたしかに存在していても,私たちが見るようで見ていないならば,それらは「風景」未満の,個別のモノの集合です.車窓からの眺めを,観るための場所である展示施設に置くことで,武田はそこにおける眼差しの経験をある種のデジャヴュとして日々の生活に接続することができないかと考えています.
[エマージェンシーズ!045 ステートメントより引用]
本作品は2023年10月21日(土)—2024年1月14日(日)まで、「ICCアニュアル2023 ものごとのかたち」NTT インターコミュニケーション・センター(ICC)にてご覧いただけます。
https://www.ntticc.or.jp/ja/exhibitions/2023/emergencies-045-takeda-moka/